出産について

出産

出産(しゅっさん)とは、子が生まれること、子を分娩すること。日常的には「お産(おさん)」とも。
子を産むことは分娩(ぶんべん)とも呼ばれる。「出産」のほうは、より一般的な語であり、社会的、文化的側面も含まれる。
生物学的に言えば、分娩(出産)は、胎生の動物の雌の胎から胎児が出ること、あるいは出すことを指す。

胎児がその種の標準に照らし合わせて十分成熟して体外に出る場合を正期産と呼ぶ。正期産に至るまでの期間や出産時の成熟度は種によってまちまちである。標準より早い場合は「早産」、さらに事故に近い場合を「流産」、遅い場合は「過期産」と呼ぶ。
出産前、あるいは最中に羊膜が破れ、羊水が出ることを破水(はすい)という。出産後、胎盤等が排出されることを後産(あとざん・のちざん)という。

 

出産方法

おすすめPickUP

経膣分娩
母親(母体)の腟を通って生まれる場合を経腟分娩と言う。なお、帝王切開という技術が導入される以前のお産は、全て経腟分娩(経腟自然分娩)であった。
計画分娩
母子の状態、あるいは病院側の都合(例えば分娩室が混み過ぎている、産科医のマンパワー不足、などの事情)などから、自然に陣痛が来るのを待たず、陣痛促進剤を用いて計画的に経膣分娩を行う場合がある。促進剤が効きすぎて母子に害が及ばぬよう、分娩監視装置をつけて十分注意を払う必要がある。
自然分娩
1933年にイギリスの産科医ディック・リードにより考案された分娩法で、「本来 お産というのは生理現象であり、子宮や産道の肉体的痛み以外に苦痛が伴うものではない」「分娩に対する不安が緊張を招き、不必要な痛みまで誘発して難産になることがある」という考え方に基づいて、妊娠時から母親にお産に関する知識を得させて不安を取り除くことで分娩時の苦痛を緩和する方法(リード法)を採る。
帝王切開
産科学が発達すると帝王切開による分娩も可能となった。自然分娩ではリスクの高くなる分娩、たとえば骨盤位、児頭骨盤不均衡、常位胎盤早期剥離や前置胎盤の場合などに、帝王切開が適用される。一度帝王切開で分娩した場合、陣痛(子宮収縮)による子宮破裂のリスクを回避するため、次回も帝王切開を勧められる。ただし母児の状況によっては、「帝王切開後の経膣分娩」が可能となる場合もある。
陣痛
陣痛とは、出産を前に子宮がくり返す規則正しい収縮のこと。またそのときに母体が感じる痛み。初期には間隔も長く、「腹が張る」「硬くなる」といった程度だが、お産が進むに連れて間隔が短くなっていき、収縮の度合もきつくなり「痛み」を認識するようになる。
最も強い段階では、俗に「障子の桟が見えなくなるほど」と形容され、妊婦がパニックを起すこともある。しかし感じ方には個人差が大きい。またラマーズ法その他による精神・肉体両面の準備があればある程度、感じ方を軽くすることも可能である。
全く痛みを感じずに分娩を希望する場合は、「硬膜外腔麻酔」による「無痛分娩」を選択することになるが、すべての症例において完全な除痛を達成できるわけではない。

 

出産場所

自宅出産
妊婦、胎児ともに順調であれば自宅出産も不可能ではないが、現在では自宅出産を仕切る「助産師」はなかなか見つけられない。また母児どちらか片方でも、妊娠高血圧症候群、骨盤位、双胎など、何らかのリスクが高い場合は病院出産が勧められる。自宅出産は高リスクであり、「自宅出産は病院など医療が介入する出産に比べ、新生児死亡率が3倍にも上る」との論文が医学雑誌ランセットで発表されている。
助産所での出産
助産所において助産師が、もしくは家庭等の出産場所に出向いてくる助産師が出産を取り仕切る。リスクの低い妊婦のみ。状態が少しでも悪くなりかけたら、産科医と連絡を取る必要がある。しかしながら病院と異なり高度の医療技術を施すことの出来ない助産所の場合、分単位の緊急性を要する処置が行えず、生涯に渡り後遺症を残すような障害の発生の危険性は高くなる。
病院での出産
日本では第二次世界大戦前や戦後の混乱期までは国民の90%以上は自宅で出産していたが、戦災からの復興期や高度成長期以後は病院での出産が増加し、高度成長期が終わったころには国民の90%以上が病院で出産するようになった。

 

日本における制度

出産育児一時金
産前産後休業
出産手当金
産科医療補償
出産費資金貸付
未熟児養育医療

 

 

引用元:ウィペディア

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