流産について
流産
流産(りゅうざん)は、妊娠の継続が停止することを指す。
全妊娠の8 – 15%に生じるとされている。
周産期医療の発達した2009年現在も24週未満の早産は予後不良な場合が多い。
流産では12週未満に起こった場合は染色体異常が原因のことが多く早期流産という。また12週以降では羊膜絨毛膜炎が原因であることが多い。
自然流産の発生頻度は15%程度である。そのため3回以上流産をする確率は0.5%未満であると考えられ、3回以上の流産が連続する習慣流産では何らかの異常が疑われ精査が必要となる。
40歳以上では自然流産の確率は25%と高くなる。これは染色体異常の頻度が高くなるためであり、羊水の性状とは関係はないと考えられている。少量の性器出血、軽度の下腹部痛を呈し、内子宮口が未開大である場合は切迫流産の可能性が高い。性器出血に加え、陣痛様の下腹部痛を呈し、内診にて子宮口の開大が認められる場合は進行流産を疑う。
切迫流産の場合は妊娠の継続が可能な場合もあるので安静、臥床とし16週以降で子宮の収縮が認められる場合は子宮収縮抑制薬を使用する。これらの治療は医療機関で行われるのが通常である。進行流産の場合は妊娠の継続は不可能と考えられており、子宮内容除去の適応となる。
それ以外に無症状だが経腟超音波検査にて枯死卵を認める場合を稽留流産といい、これも子宮内容除去の適応となる。
原因
母体
感染症
子宮の異常(子宮頸管無力症、子宮奇形、子宮筋腫など)
黄体機能不全、高プロラクチン血症
内分泌疾患
胎児
染色体の異常、遺伝子病
夫婦間因子
免疫異常(免疫応答の異常など)
血液型不適合
種類
切迫流産
概念:流産が生じようとしている状態。流産になる場合と持ちこたえる場合とがある。子宮出血はあるが頸管は開大していない。
症状:軽度の下腹部の痛みと少量の性器出血
治療:安静を第一とし、塩酸リトドリン(子宮収縮抑制剤)、hCGの投与。目安として妊娠16週以降なら塩酸リドトリンを用い、それ以前なら安静臥床が第一である。
原因:絨毛膜下血腫、絨毛羊膜炎など
進行流産
概念:流産が生じ進行している状態。下腹部痛や出血が強く、頸管は開大しており保存的な治療は不可能なものである。
症状:下腹部の痛み、性器出血、子宮頚部の開大
治療:完全流産か不全流産かで異なる。
完全流産
概念:流産が生じ、子宮内容物が完全に娩出された状態。
症状:下腹部痛と性器出血の消失
治療:経過観察のみで済む場合が多い。
不全流産
概念:流産が生じたが、子宮内に残存物が残っている状態。
症状:下腹部の痛み、性器出血の持続
治療:子宮内容除去術、残存物が少ない場合は子宮収縮剤および抗生物質の投与
稽留流産
概念:子宮内で胎児が死亡している状態であるが、妊婦に症状が無いもの。
症状:自覚症状は無い。妊婦検診等で超音波検査によって発見される
治療:確定診断がついた段階で、子宮内容除去術を行うことが多い。
化学的流産
概念:生化学的に妊娠の成立をみた(hCGが検出された。たとえば尿中hCG測定で50IU/l反応陽性)と診断されるが、超音波断層法により胎嚢などの妊娠に特有な所見が確認されず、しかも腹痛や子宮口開大などの流産兆候を伴うことなく月経様の出血をみた場合を呼ぶ。
症状:月経様の出血(人によっては激痛と血の塊が出てくることがある)
治療:経過観察
引用元:ウィペディア
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